W3 Total Cache:ページの読込時間を短縮できる
WordPress サイト全体の Web ページの読込時間を短縮できる WordPress 用プラグインの紹介です。
それは「W3 Total Cache」です。
その導入手順から日本語化・使い方と設定などを解説していきます。
W3 Total Cache
W3 Total Cache は、WordPress サイト全体の Web ページの読込時間を短縮できます。
W3 Total Cache の主な特徴は、以下のとおりです。
- コンテンツ配信ネットワーク(CDN)管理
- モバイルサポート
- リファラーまたはユーザーエージェントのグループによる WordPress テーマ切り替え
- リファラーまたはユーザーエージェントのグループ化して、それぞれのページでキャッシュ化
- Accelerated Mobile Pages(AMP)のサポート
- Secure Socket Layer(SSL)のサポート
- CDN 上を含む(縮小および圧縮された)投稿と固定ページのキャッシュ
- CDN 上を含む(縮小および圧縮された)CSS と JavaScript のキャッシュ
- CDN 上を含むフィード(サイト、カテゴリ、タグ、コメント、検索結果)のキャッシュ
- 検索結果ページ(クエリ文字列変数を含む URI)のキャッシュ
- データベースオブジェクトのキャッシュ
- オブジェクトのキャッシュ
- フラグメントのキャッシュ
- キャッシュ方法には、ローカルDisk、Redis、Memcached、APC、APCu、eAccelerator、XCache、WinCache をサポート
- HTML/CSS/JavaScript の縮小
- 投稿と固定ページ及び RSS フィードの縮小
- アセットの自動更新によるインライン、埋め込み、またはサードパーティの JavaScript の縮小
- アセットの自動更新によるインライン、埋め込み、またはサードパーティの CSS の縮小
- 重要でない CSS と Javascript を読込延期可
- 遅延読み込みによるオフスクリーン画像の読込延期可
- ヘッダーの有効期限及びエンティティタグ(ETag)を使用したブラウザキャッシュとカスタマイズ
- 埋め込み位置制御を使用したテンプレート(ホームページ、投稿ページなど)による JavaScript のグループ化
- ノンブロッキング JavaScript の埋め込み
- 投稿の添付ファイルをメディアライブラリ(および CDN)に直接インポート可
- 複数の CDN 統合を活用しての画像の最適化
- WP-CLI サポート(キャッシュのパージ、クエリ文字列の更新など)
- Webサイトの安全性を確保するためのセキュリティ機能搭載
- 有効な機能のパフォーマンスインサイトのキャッシュ統計
- Cloudflare、WPML などのカスタマイズまたは拡張性のための拡張フレームワーク
- Nginx または Varnishを介したリバースプロキシの統合
設定項目は、初心者向けの簡易モードと詳細モードの 2 種類が用意されています。
設定項目が大量にあるので、記事にすると長文になるので、
とりあえず、どんな項目を設定できるのか知りたい方向けの動画を作りました。
倍速再生推奨です。
https://www.youtube.com/watch?v=ALVNPhZWfSs
記事を作成もしくは更新時点での W3 Total Cache のバージョン:2.1.0
マルチサイトでの利用:可
Gutenberg エディターでの動作
Gutenberg エディターに追加される機能は無いので、気にする必要は無いです。
インストール手順
W3 Total Cache をインストールするには 2 種類の方法があります。
下記の URL から ZIP ファイルを入手して、管理画面からアップロードして有効化する。
W3 Total Cache – WordPress.org
もしくは、WordPress.org の公式プラグインディレクトリにリリースされているので、
管理画面からインストールできます。
ダッシュボードから「プラグイン」メニューの「新規追加」を選択し、
プラグイン追加画面右上の検索窓に「W3 Total Cache」と入力します。
検索結果の一番左上に表示されると思うので、「今すぐインストール」をクリックします。
※一番左上に表示されない場合は、上記の画像から探して下さい。
インストールが完了したら、プラグインを「有効化」します。
プラグインのインストールに慣れていない方は、
下記の記事にて詳しく解説していますので、御覧ください。
WordPressプラグインのインストール手順を解説 – WordPress活用術
日本語化
W3 Total Cache は、日本語化対応がされているので、有効化するだけで日本語化されます。
日本語化されない場合には、日本語化用の言語パックを translate.wordpress.org から入手できる場合があります。
WordPress と関連プロジェクト(テーマ・プラグイン)用の翻訳プラットフォームとして、
translate.wordpress.org (GlotPress) が導入されています。
※ボランティアで翻訳されている場合が多いので、
全てのプラグインで、必ずしも日本語化用の言語パックが用意されているわけでは無いです。
また、用意されていても 100% 翻訳されている保証もありません。
日本語化用の翻訳ファイルの探し方は、下記の記事を参照してください。
WordPress公式での日本語化用の翻訳ファイルの探し方 – WordPress活用術
専用メニュー
管理画面の「設定」メニューの下に追加されています。
使い方
プラグインを有効化してもキャッシュ機能は無効になっているので、
設定画面から必要に応じて設定を行って、キャッシュ機能を有効にしましょう。
今回は、一般設定からできる簡易モードのみを説明していきます。
詳細モードは、設定項目が多すぎるので現実的ではないかな。
セットアップウィザードの画面です。
スキップするかセットアップウィザードを終了させないと、
他の設定画面を表示できません。
よって、今回はセットアップをスキップしてみました。
ダッシュボード
主に Pro 版用の機能が表示されています。
なので、説明は省略します。
Feature Showcase
使用したい機能の設定項目群にジャンプすることができます。
一般設定(General Settings)
一般
Preview mode:
テスト環境から設定をインポートした際にテストを行うことができます。
プレビューモードは、設定をデプロイした後も、モード機能を無効にするまでアクティブなままです。
ページキャッシュ
Page Cache:
ページキャッシュ機能を有効にするかどうか。
Page Cache Method:
ページキャッシュの方式を選択します。
圧縮(Minify)
ここでは CSS や Javascript ファイルのサイズや数を減らすことで、
ロード時間を短縮することができます。
CSS、Javascript、フィード、ページ、および投稿 HTML から不要なデータを自動的に削除します。
圧縮:
縮小機能を有効にするかどうか。
圧縮モード:
縮小機能の動作モードを選択します。
手動モードを選択した場合には、「Minify」メニューから設定を行いましょう。
Minify キャッシュ方式:
圧縮のキャッシュ方式を選択します。
HTML 圧縮ツール:
JS 圧縮ツール:
CSS 圧縮ツール:
それぞれの圧縮方式を選択します。
Opcode Cache
Opcde Cache:
キャッシュ方式を選択します。
Validate timestamps:
この設定を有効にすると、リクエスト時に各ファイルのキャッシュが最新のバージョンに更新されます。
この設定が無効の場合は、オペコードキャッシュはチェックされません。
設定の変更を反映するには PHP を再起動する必要があります。
データベースキャッシュ
データベースキャッシュを有効にして、投稿、ページ、フィードの作成時間を短縮できます。
データベースキャッシュ:
データベースキャッシュを有効にするかどうか。
オブジェクトキャッシュが使用できない場合に最適です。
データベースキャッシュ方式:
データベースキャッシュの方式を選択します。
オブジェクトキャッシュ(Object Cache)
オブジェクトキャッシュを有効にして、一般的な操作の実行時間をさらに短縮できます。
オブジェクトキャッシュ:
オブジェクトキャッシュを有効にするかどうか。
オブジェクトキャッシュ方式:
オブジェクトキャッシュの方式を選択します。
ブラウザーキャッシュ
訪問者の Web ブラウザで利用可能なキャッシュを使用することで、
サーバーの負荷を軽減し、応答時間を短縮できます。
ブラウザーキャッシュ:
ブラウザーキャッシュを有効にするかどうか。
CDN
ページの読み込み時間を短縮するために CDN で静的ファイルとして配信できます。
CDN:
CDN サポートを有効にするかどうか。
CDN Type
CDN のタイプを選択します。
Pro 版のみで使用可。
リバースプロキシ
WordPress サイトで処理を行う前に Proxy サーバーに処理をさせたい場合に使用します。
Purge 設定は「Page Cache]メニューで設定され、
Browser Cache 設定は「Browser Cache」メニューで設定できます。
Enable reverse proxy caching via varnish
リバースプロキシキャッシングを有効にするかどうか。
Varnish servers:
使用する Proxy サーバーの IP アドレスを入力します。
User Experience
Lazy Load Images:
画面外の画像の読み込みを遅延させるかどうか。
Lazy Load Google Maps:
Pro 版のみの機能です。
Disable Emoji:
ウェブサイトから絵文字のサポートを削除するかどうか。
Disable wp-embed script:
wp-embed.js スクリプトをウェブサイトから削除するかどうか。
oEmbed 機能はまだ動作しますが、
他の WordPress 投稿をページに埋め込むことができなくなります。
Disable jquery-migrate on the front-end
ウェブサイトのフロントエンドから jquery-migrate のサポートを削除するかどうか。
統計(Statistics)
Pro 版のみの機能です。
モニタリング
使用するには専用のアカウントが必要なようです。
説明は省略します。
フラグメントキャッシュ(Fragment Cache)
フラグメントキャッシュを有効にすると、一般的な操作の実行時間を短縮できます。
フラグメントキャッシュの方式:
フラグメントキャッシュの方式を選択します。
ライセンス
Pro 版のライセンスキーを入力することができます。
その他
Google Page Speed ダッシュボードウィジェットを有効化
WordPress ダッシュボードに Google Page Speed の結果を表示するかどうか。
※API キーが必要です。
Page Speed API キー:
Key Restriction (Referrer):
Show page rating in admin bar:
管理バーにページのレーティングを表示するかどうか。
書き換えルールを確認:
このオプションを無効にすると、
アクティブな設定のサーバー設定がインストールタブに表示されます。
ファイルロックを有効化:
NFS システムには非推奨です。
NFS 向けにディスクの拡張ページを最適化する:
有効にするとネットワークベースのファイルシステムを使用している場合には、
ホスティング環境でのパフォーマンス向上が望める場合があります。
Anonymously track usage to improve product quality:
匿名での W3 Total Cache の使用状況をトラッキングを有効にするかどうか。
デバッグ
各キャッシュについての詳細な情報をページのソースコードの HTML コメントに追加できます。
各キャッシュが使用されていない時は無効になります。
Pro 版のみの機能です。
インポート / エクスポートの設定
各種設定のインポートとエクスポートができます。
また、各種設定をデフォルト設定にリセットすることもできます。
Compatibility Test
互換性チェックを行うことができます。
詳細設定
ページキャッシュ
圧縮
データベースキャッシュ
オブジェクトキャッシュ
ブラウザーキャッシュ
キャッシュグループ(Cache Group)
CDN
フラグメントキャッシュ
User Experience
モニタリング
Statistics
Pro 版のみの機能です。
代替プラグイン
W3 Total Cache にほしい機能が無かった場合には、
W3 Total Cache 以外にも静的HTMLを生成しキャッシュ化できるプラグインを記事にしています。
以下では、W3 Total Cache を含めて 14 個を簡単に紹介しています。
静的HTMLを生成しキャッシュ化できるWordPressプラグイン一覧