Powered Cache:サーバー応答速度を劇的に高速化できる

2019年4月12日

WordPress サイトの高速化と言うと、
サーバー自体の能力を一番に上げているアフィリエイト記事が多いですが、
手っ取り早く高速化するには、キャッシュ化することだと思います。

キャッシュするということは、静的なファイルを事前に保存しておいて、
アクセスがあった際には、Web サーバーはファイルを転送するだけで済むので、
結果的にサーバーの応答速度の改善に繋がります。

Google でも、サーバーの応答速度を 200 ms 以内することを推奨していますしね。
WordPress のキャッシュ系プラグインと言うと、WP Fastest Cache などが有名です。
今回は WP Fastest Cache よりも、WordPress サイトのサーバー応答速度を劇的に高速化できる WordPress 用プラグインの紹介です。
それは「Powered Cache」です。
そのインストール手順から日本語化・使い方と設定などを解説していきます。
また、記事の最後では WP Fastest Cache との応答速度の改善結果を比較しています。

Powered Cache

Powered Cache - WordPress.org

Powered Cache は、PHP の APCu(APC User Cache) 機能でキャッシュ化し WordPress サイトのサーバー応答速度を簡単に劇的に高速化できます。
Powered Cache の主な特徴は、以下のとおりです。

  • シンプルで簡単に設定可能。ワンクリックで設定のインポート、エクスポートも可能。
  • ページキャッシング
  • オブジェクトキャッシング可能。Redis、Memcached、Memcache、APCu をサポート。
  • ページキャッシュのルール管理。
  • CSS、JS ファイルの縮小と結合可能。
  • データベースの最適化。
  • Lazy Load の有効化。
  • WordPress の埋め込みの制御。
  • 絵文字スクリプトの削除。
  • Google Fonts の結合。フォントの読み込みを最適化。
  • リライトのサポート。.htaccess の自動設定可能。
  • モバイル対応。モバイル用に別のテーマを使用したい場合は、モバイル用の別のキャッシュファイルを使用可。
  • ログインユーザーキャッシュ。
  • CDN 統合。
  • キャッシュ・プリローディングに対応。
  • プリフェッチ DNS に対応。DNS ルックアップの時間を短縮。
  • Gzip サポート。キャッシュファイルを gzip で圧縮。
  • Cloudflare、Heartbeat もサポート
  • マルチサイト対応。ネットワーク全体またはサイト単位での有効化が可能。ドメインマッピングに対応。
  • コンテンツの変更に影響されるキャッシュのみをパージ可。
  • 人気のあるプラグインとテスト済みで互換性があり。

記事を作成もしくは更新時点でのバージョン:2.1.1
マルチサイトでの利用:可

Powered Cache の利用に際しての注意点

PHP の APCu(APC User Cache) を利用して WordPress サイトをキャッシュしており、
使用しているレンタルサーバーなどの Web サーバーで、
apcu.so もしくは php_apcu.dll モジュールが有効になっている必要があります。

有名なレンタルサーバー会社でサポートセンターに問い合わせてみて、
確認が取れたレンタルサーバー会社は、以下のとおりです。

エックスサーバー
さくらのレンタルサーバ
ヘテムル

上記以外の既存のレンタルサーバーでも、
高速化をうたっているレンタルサーバーであればサポートしていると思います。
引っ越しや新規契約の前に一度ご確認することをオススメします。



Gutenberg エディターでの動作

Gutenberg エディターに追加される機能は無いので、気にする必要は無いです。

インストール手順

Powered Cache をインストールするには 2 種類の方法があります。
下記の URL から ZIP ファイルを入手して、管理画面からアップロードして有効化する。
Powered Cache – WordPress.org

もしくは、WordPress.org の公式プラグインディレクトリにリリースされているので、
管理画面からインストールできます。

ダッシュボードから「プラグイン」メニューの「新規追加」を選択し、
プラグイン追加画面右上の検索窓に「Powered Cache」と入力します。

WordPressプラグイン「Powered Cache」の導入から日本語化・使い方と設定項目を解説している画像

検索結果の一番左上に表示されると思うので、「今すぐインストール」をクリックします。
※一番左上に表示されない場合は、上記の画像から探して下さい。
インストールが完了したら、プラグインを「有効化」します。

プラグインのインストールに慣れていない方は、
下記の記事にて詳しく解説していますので、御覧ください。

WordPressプラグインのインストール手順を解説 – WordPress活用術

日本語化

Powered Cache を有効化した際に日本語化されない場合には、
日本語化用の言語パックを translate.wordpress.org から入手できる場合があります。

WordPress と関連プロジェクト(テーマ・プラグイン)用の翻訳プラットフォームとして、
translate.wordpress.org (GlotPress) が導入されています。

※ボランティアで翻訳されている場合が多いので、
全てのプラグインで、必ずしも日本語化用の言語パックが用意されているわけでは無いです。
また、用意されていても 100% 翻訳されている保証もありません。

日本語化用の翻訳ファイルの探し方は、下記の記事を参照してください。

WordPress公式での日本語化用の翻訳ファイルの探し方 – WordPress活用術

専用メニュー

WordPressプラグイン「Powered Cache」の導入から日本語化・使い方と設定項目を解説している画像

ダッシュボードの「設定」メニューの下に追加されています。

使い方

プラグインを有効化しただけでは、キャッシュ機能は動作していませんので、
必要な設定を行った後にキャッシュ機能を有効にしましょう。

管理バーからキャッシュの手動削除もできます。

設定

基本設定(Basic Options)

WordPressプラグイン「Powered Cache」の導入から日本語化・使い方と設定項目を解説している画像

  • Page Cache
    ページキャッシュを有効にするかどうか。
  • Object Cache
    オブジェクトキャッシュ機能を有効にするかどうか。有効にする場合には、使用するオブジェクトキャッシュ機能を選択します。。

WordPressプラグイン「Powered Cache」の導入から日本語化・使い方と設定項目を解説している画像

  • Mobile Cache
    モバイル端末用のキャッシュを有効にするかどうか。モバイル用には別のキャッシュファイルを使用するかどうか。
  • Logged in user cache
    ユーザーごとに個別のキャッシュを作成するかどうか。
  • Gzip Compression
    GZip 圧縮を有効にするかどうか。

WordPressプラグイン「Powered Cache」の導入から日本語化・使い方と設定項目を解説している画像

  • Cache Timeout
    キャッシュされたページの有効期限を設定します。時間単位は、分・時・日で選択可。

高度な設定(Advanced Options)

WordPressプラグイン「Powered Cache」の導入から日本語化・使い方と設定項目を解説している画像

  • .htaccess Configuration
    .htaccess ファイルを自動的に編集するのを許可するかどうか。

WordPressプラグイン「Powered Cache」の導入から日本語化・使い方と設定項目を解説している画像

  • Rejected User Agents
    特定のユーザに対してキャッシュページを表示したくない場合にユーザエージェントで指定します。
  • Rejected Cookies
    特定のユーザに対してキャッシュページを表示したくない場合にクッキーで指定します。

WordPressプラグイン「Powered Cache」の導入から日本語化・使い方と設定項目を解説している画像

  • Vary Cookies
    別途キャッシュを生成させる場合には、クッキーで指定できます。
  • Never cache the following pages
    キャッシュしないページを入力します(1行に1つ)。

WordPressプラグイン「Powered Cache」の導入から日本語化・使い方と設定項目を解説している画像

  • Accepted query strings
    ここで指定したクエリー文字列を無視し、標準のキャッシュファイルを提供します。utm_*のようなトラッキングパラメータはデフォルトで無視されます。
  • Purge Additional Pages
    パージするページを追加で入力 (1行に1つ)。記事変更時に必要なページのみをパージするようにできていますが、特定のページをパージする必要がある場合に指定します。

ファイル最適化(File Optimization)

WordPressプラグイン「Powered Cache」の導入から日本語化・使い方と設定項目を解説している画像

  • Minify HTML
    HTML 出力から全ての空白文字を削除し、HTML のサイズを最小化します。
  • Combine Google Fonts
    全ての Google Fonts を結合するかどうか。

WordPressプラグイン「Powered Cache」の導入から日本語化・使い方と設定項目を解説している画像

  • Minify CSS
    CSS ファイルを縮小化するかどうか。
  • Combine CSS files
    CSS ファイルを結合するかどうか。
  • CSS files to exclude (one per line)
    このリストに登録したファイルは、縮小も結合もされません。

WordPressプラグイン「Powered Cache」の導入から日本語化・使い方と設定項目を解説している画像

  • Critical CSS
    プレミアム版のみの機能。

WordPressプラグイン「Powered Cache」の導入から日本語化・使い方と設定項目を解説している画像

  • Minify JavaScript Files
    JavaScript ファイルを縮小化するかどうか。
  • Combine JavaScript Files
    JavaScript ファイルを結合するかどうか。
  • JavaScript files to exclude (one per line)
    このリストに登録したファイルは、縮小も結合もされません。

WordPressプラグイン「Powered Cache」の導入から日本語化・使い方と設定項目を解説している画像

  • JavaScript execution method
    ブラウザがJSスクリプトをどのように実行するかを選択します。
  • Use execution method for the optimized scripts only
    このオプションをオフにすると、すべてのJSスクリプトが同じように実行されるようになります。

メディア最適化(Midia Optimization)

WordPressプラグイン「Powered Cache」の導入から日本語化・使い方と設定項目を解説している画像

  • Enable Lazy Load
    遅延読み込みを有効にするかどうか。
  • Disable WordPress Native Lazy Load
    WordPress のネイティブレイジーロードを無効にするかどうか。
  • Disable WordPress Embeds
    iframe などの埋め込みを無効にするかどうか。
  • Remove Emoji Scripts
    不要な絵文字スクリプトを削除します。絵文字は削除されません。

CDN統合(CDN Integration)

WordPressプラグイン「Powered Cache」の導入から日本語化・使い方と設定項目を解説している画像

  • CDN
    CDN 統合を有効にするかどうか。
  • CDN Hostnames
    CNAME を入力します。
  • Rejected Files
    CDN サーバーからの配信をしないファイルを 1 行に 1 つの URL で指定します。フルURLでも絶対パスでも可。

プリロード(Preload)

WordPressプラグイン「Powered Cache」の導入から日本語化・使い方と設定項目を解説している画像

  • Cache Preload
    プリロードを有効にするかどうか。
  • Prefetch DNS
    プリフェッチする外部ホストを入力します(1行に1つ)。

データベース(Database)

WordPressプラグイン「Powered Cache」の導入から日本語化・使い方と設定項目を解説している画像

  • Post Revisions
    投稿のリビジョンを削除するかどうか。
  • Auto Drafts
    自動下書きを削除するかどうか。
  • Trashed Posts
    ゴミ箱にある投稿を削除するかどうか。

WordPressプラグイン「Powered Cache」の導入から日本語化・使い方と設定項目を解説している画像

  • Spam Comments
    スパムマークされたコメントを削除するかどうか。
  • Trashed Comments
    ゴミ箱にあるコメントを削除するかどうか。

WordPressプラグイン「Powered Cache」の導入から日本語化・使い方と設定項目を解説している画像

  • Expired Transients
    期限切れのトランジットを削除するかどうか。
  • All Transients
    全てのトランジットを削除するかどうか。

WordPressプラグイン「Powered Cache」の導入から日本語化・使い方と設定項目を解説している画像

  • Optimize Tables
    テーブルを最適化するかどうか。

WordPressプラグイン「Powered Cache」の導入から日本語化・使い方と設定項目を解説している画像

  • Schedule Cleanups
    プレミアム版のみの機能。

拡張機能(Extensions)

WordPressプラグイン「Powered Cache」の導入から日本語化・使い方と設定項目を解説している画像

  • Cloudflare
    PoweredCache 用の Cloudflare 拡張機能。WordPress 内で Cloudflare のキャッシュをパージできるようになります。
  • Heartbeat
    WordPress Heartbeat APIの使用頻度を管理できます。

その他(Misc)

WordPressプラグイン「Powered Cache」の導入から日本語化・使い方と設定項目を解説している画像

  • Cache Footprint
    HTML出力にキャッシュの足跡を表示します。キャッシュ出力に役立つ情報を追加します。
  • Download Configuration
    構成ファイルをダウンロードできます。
  • Reset All Settings
    全ての設定をリセットするかどうか。

WordPressプラグイン「Powered Cache」の導入から日本語化・使い方と設定項目を解説している画像

  • Diagnostic
    キャッシュの設定確認ツール。
  • Export
    設定をエクスポートできます。
  • Import
    設定をインポートできます。

応答速度の改善結果

Powered Cache を使用しての応答速度の改善結果を参考例として載せておきます。
また、WP Fastest Cache との改善比較も合わせて載せておきます。

WordPressプラグイン「Powered Cache」のスクリーンショット

Powered Cache/WP Fastest Cache とも有効にしていない状態です。
0.76 秒改善する余地があると評価されています。

WordPressプラグイン「Powered Cache」のスクリーンショット

WordPressプラグイン「Powered Cache」のスクリーンショット

WP Fastest Cache を使用してみると 0.43 と 0.5 秒に改善されています。

WordPressプラグイン「Powered Cache」のスクリーンショット

WordPressプラグイン「Powered Cache」のスクリーンショット

Powered Cache を使用してみると項目が削除されたことが分かります。
ちなみに検証に使ったのは、
アフィリエイト記事として、よく書かれるエックスサーバーではありません。
逆に遅いサーバーとして揶揄されるさくらのサーバーです。
しかも、今のサーバー環境ではなくて HDD 環境のサーバーです。

マルチサイトモードでも検証

WordPressプラグイン「Powered Cache」のスクリーンショット

WordPressプラグイン「Powered Cache」のスクリーンショット

マルチサイトモードでも検証してみました。
ちなみに点数的には、95 点から 100 点になりました。

補足事項

Powered Cache は、WordPress サイトをキャッシュ化することに特化しています。
そのため Javascript/CSS ファイルの最適化機能などがありません。
最適化も必要であるならば、WP Performance と併用すると良いかもしれません。

WP Performance – WordPress.org

WP Performance は、オールインワンでキャッシュ化も含めた WordPress サイトの最適化を行うことができます。
WP Performance の使い方なども記事にしていますので、
興味のある方は、ご覧ください。

WP Performance – WordPress活用術

W3 Total Cache と WP Super Cache でも、
Powered Cache のようにオブジェクトキャッシュ機能を搭載しています。
しかしながら、プラグイン自体の設定項目が多すぎるのでオススメしません。

オブジェクトキャッシュ機能を最大限に利用したいなら別ですが、
手っ取り早くオブジェクトキャッシュ機能の恩恵を受けたいだけなら、
いまのところ、Powered Cache が一択だと個人的には思います。

※あくまでも個人的な感想です。Powered Cache の効果を保証するものではありません。

補足情報

動的コンテンツを表示させていると静的 HTML を作成すると不都合が起きるケースがあります。
No Cache AJAX Widgets は、キャッシュ化したくない様々な動的コンテンツをキャッシュ化せずに表示できるウィジェットを設置できます。

No Cache AJAX Widgets の使い方 – WordPress 活用術

代替プラグイン

Powered Cache にほしい機能が無かった場合には、
Powered Cache 以外にも静的HTMLを生成しキャッシュ化できるプラグインを記事にしています。
以下では、Powered Cache を含めて 14 個を簡単に紹介しています。

静的HTMLを生成しキャッシュ化できるWordPressプラグイン一覧

URL

Powered Cache – WordPress.org

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Posted by 管理人